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《暦七月文月琺瑯看板》

琺瑯看板の貼られた旧い路地をゆく。夏の光りに石ころの道が白くふくらむ。かき氷の暖簾をくぐる。手回しのかき氷機。サクサクと削られた氷が器に山となってゆく。赤いシロップがてっぺんからかけられる。・宇治金時：抹茶に砂糖と水を加え茶筅で泡立てたシロップをかき氷にかけ、小豆を載せたもの。宇治が抹茶、金時は小豆のこと。 ・氷あずき：水のシロップに小豆をのせたもの。 ・酢だまり氷：山形県山辺町周辺に伝わる...

『梅雨の日・・・山翡翠2』

梅雨の雨が降りつづける。けぶる谿。渓谷にはり出した枝ヤマセミが気配を窺う。（キャラッキャラッケッケッケレッ）鳴き声が渓をわたる。

『梅雨の日・・・ヤマセミ』

梅雨。雨にけぶる谿。梅雨の雨が降りつづける。渓谷にはり出した枝でヤマセミが気配を窺う。（キャラッキャラッケッケッケレッ）鳴き声が渓をわたる。

《ヤマセミⅢ》

静止飛翔眼下凝視魚影水面瞬時起動

《ヤマセミⅡ静止飛翔》

ヤマセミがホバリングするときは多分（魚影）を察した後であるとおもう。 水面高く伸びた枝から（フッ）と放れ（ハタハタ）と（静止飛翔）のそのほんの数秒のうちに（決定的な一瞬）のタイミングを測っているのだとおもう。そして次の瞬間真っ逆さま一気に水面へ―――

《ヤマセミ》

静止飛翔。眼下水面。どうどうと落ちる水の音のなかに静止飛翔するヤマセミの羽音がハタハタと目に聞こえる。