エキサイトブログ

天野純希7月2日（土）

「信長嫌い」著天野純希永禄三年三月、義元は家臣たちの反対を押し切り、ひそかに、三河の吉良を訪れていた。供廻りは百名足らず。他に、三十名ほどの忍びが目立たないように百姓に扮し、遠巻きに護衛についている。尾張織田家との戦が目前に迫っていた。織田軍は今川方の鳴海、大高両城の周囲に砦を築き、攻勢を強めている。放置すれば、数年がかりで築き上げた尾張への足掛かりを失い、義元の武威は失墜する。この危機に、...

「大河への道」監督中西健二原作立川志の輔

もうそこに居るだけでおかしい役者さんっていますよね。出てくるだけで笑いが起こり、立っているだけで絵になる。私にとって長年それは森繁久弥さんでした。森繁さん亡き後、私の中では、西田敏行さんがそのポジションにいます。今回、新たにもう一人、発見しました。中井貴一さんです。黙っていてもおかしいし、動くと更におかしい。お三方ともスクリーンの中でアップになると笑いが起きます。これは作品への起用が成功して...

天野純希5月31日（火）

「燕雀の夢」著天野純希甲斐国主時代から親交のあった公卿の伝手で、信虎は洛中の外れに小さいながらも屋敷を構えている。甲斐からも隠居料が送られてくるので、暮らしに不自由はない。天下は乱れに乱れているが、信虎の暮らしはまさに悠々自適だった。駿府と京を行き来し、公卿の開く連歌の会に参加し、気が向けば神社仏閣に遊山に出かける。甲斐の片田舎で戦に明け暮れていたのは、もう遠い昔のことだ。

天野節子作「氷の華」を読みました。

天野節子作「氷の華」を読みました。なんでも天野先生は、短大卒業後20年間幼稚園教師を勤め、その後20年幼児教育教材会社に勤めた後、60歳にしてミステリ作家になるべく本書を自費出版され、それが幻灯文庫から文庫出版され、ベストセラーになってテレビ化されたという伝説の持ち主です。如何なものかと一読しましたが、これは驚嘆すべきミステリでありました。【プロローグ】パチンコだけが趣味だった加賀作次郎は、...

天野純希4月28日（木）

「紅蓮浄土石山合戦記」著天野純希浄土真宗本願寺派の総本山たる大坂本願寺を中心とする大坂の寺内町は、戦乱で荒れ果てた京をはるかに凌ぐ繁栄ぶりだった。この町で暮らす人々は、五万を大きく超えている。無論、そのほとんどが真宗門徒である。寺内町といっても、大坂はこの日ノ本でも屈指の堅固な城砦でもあった。西は海に面し、北は淀川、東は大和川という広大な川が天然の堀を成している。台地の北側に築かれた本願寺の...

日々の出来事散歩

白ツツジ八重のやまぶき八重桜アイリスセンニンソウ天野川流域散歩です。

天野貴一の弾き語りライブ＠"C'est la vie"（セラヴィ）保谷

わーい！ファンのみなさんはきっと泣きますね、天野貴一の弾き語りライブがあります。夜の野球場では無いけどやっとです。..................4月29日（金）LiveHouse"C'est la vie"（セラヴィ）20:00 開演ライブチャージ500円東京都西東京市東町3-11-2グランドハイム保谷105042-439-6830https://www....

天野純希3月26日（土）

「雑賀のいくさ姫」著天野純希誇り高きイダルゴを自任するジョアン・サンチェス・デ・トリアーナが、極東の果ての島国までやってきたのには、もちろんそれ相応のわけがある。ジョアンがこの世に生を享けたのは、今から二十五年前の1549年、風薫る五月のことである。トリアーナ家はピレネー山脈の麓に猫の額ほどの土地を持つだけの貧乏貴族だが、四代続くれっきとしたイダルゴの家系である。それが、トリアーナ家の男たち...

天野純希3月17日（木）

「もろびとの空三木城合戦記」著天野純希東の彼方、有馬の山々から日輪が顔を出していた。斜めに降り注ぐ朝の光を、播州平野のあちこちに掘られた溜池が照り返している。この光景を見るのが加代は好きだった。播磨は、気候は温暖で地味もよく、実りは多い。加えて、水が豊富で多くの溜池があるため、日照りや飢饉にも縁がない。暮らしは楽ではないが、この数年、村に餓死者が出ていないのは播磨の肥沃な土地のおかげだ。

天野純希3月5日（土）

「乱都」著天野純希乱れているのは、畠山家だけではない。越前の斯波家でも家督争いが長引き、東国では古河公方と関東管領が激しく争っている。畿内では飢饉や疫病、それに伴う一揆が頻発し、都は飢えた民で溢れていた。今や、足利という家は方々の柱が軋み、大きく傾いている。遠からず、音を立てて崩れ去るだろう。その先の天下がどう動くのか、今はわからない。まずは、生き残ることだ。そのためには政長を討ち、畠山家当...