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「太平記」諸大名讒道朝事道誉大原野花会の事（その３）

道朝この由を伝へ聞きて、貞治四年八月四日晩景ばんげいに、将軍の御前おんまへに参じて申されけるは、「御不審を蒙かうむる由内々告げ知らする人の候さうらひつれども、身に於いて不忠不儀の事候はねば、申まうす人の謬あやまりにてぞ候ふらんと、愚意を遣り候ひつるに、昨日江州の勢ども、合戦の用意にて、罷り上り候ひける由承うけたまはり及び候へば、風聞の説早や実まことにて候ひけりと信を取つて候ふ。抑そもそも道朝...

「太平記」諸大名讒道朝事道誉大原野花会の事（その２）

已にその日に成りしかば、軽裘肥馬けいきうひばの家を伴ひ、大原や小塩をしほの山にぞ趣きける。麓に車を駐とどめて、手を採つて碧蘿へきらを攀よぢのぼるに、曲径きよくけい幽かすかなる処に通じ、禅房花木くわぼく深し。寺門に当て湾渓わんけいのせぜらきを渉わたれば、路みち羊腸やうちやうを遶めぐつて、橋雁歯がんしの危ふきをなせり。ここに高欄を金襴にて裹つつみて、擬宝珠ぎぼうしに金薄きんばくを押し、橋板に太唐...

「太平記」諸大名讒道朝事道誉大原野花会の事（その１）

そもそもこの管領職くわんれいしよくと申まうすは、将軍家にも宗との一族なりければ、誰かはその職を猜そねむ人もあるべき。また関東くわんとうの盛んなりし世をも見給ひたりし人なれば、礼儀法度はつともさすがに今の人の様にはあるまじければ、これぞまことに武家の世をも治をさめんずる人よと思えけるに、諸人の心に違たがふ事のみありて、終つひに身を失はれけるも、ただ春日大明神かすがだいみやうじんの冥慮みやうりよ...

ちょっとの〜んびり

去年の今頃は、まだ受験の結果が出てなくてモヤモヤしていたんだよね〜。あれからもう１年！早い、早い。去年の受験生・王子は、今週学校の方から締め出されてて（笑）、火曜から自宅待機。おかげで、私も早起きせず毎日ゆっくり起床してま〜す（＾＾；来週から通常モードに戻れるかしら？王子の方は、自宅待機と言えど、期末テスト１週間前になっているんで、おベンキョーはしています。半分遊びながらやけど（笑）。「遊び...

「曽根崎心中」（その１）

実にや安楽世界より、今此娑婆に示現して、我等が為の観世音、仰ぐも高し高き屋に、登りて民の賑ひを、契りおきてし難波津や、三ツづつ十ウと三ツの里、札所札所の霊地霊仏、廻れば罪も夏の雲、熱くろしとて駕籠をはや、をりはの乞目こひめ三六の、十八九なる顔世花、今咲出しの初花に、傘は被ずとも召さずとも、照日の神も男神、除けて日負ひまけはよもあらじ。頼みありける巡礼道、西国三十三所にも向ふと聞ぞ有難き。一番...

「太平記」山名京兆被参御方事

山名左京さきやうの大夫時氏ときうぢ・子息右衛門うゑもんの佐すけ師氏もろうぢは、近年御敵になつて、南方と引き合ひて、両度まで都を傾けしかば、将軍の御為には上なき御敵なりしかども、内々縁に属しよくして、「両度の不義まつたく将軍の御世を危ぶめ奉らんとにはあらず。ただ道誉だうよがあまりに本意なかりし振る舞ひを思ひ知らせん為ばかりにて候さうらひき。その罪科を御宥免いうめんあつて、この間領知の国々をだに...

「太平記」大内介降参の事（その１）

聖人世に出て義を教へ道を正す時だにも、上智は少なく下愚かぐは多ければ、人の心すべて一致ならず。かるが故ゆゑに尭げうの代にすら四凶の族あり。魯国ろこくに小星卯せうせいばうあり。いはんや時今澆季げうきなり。国また卑賎なり。何に因つて仁義を知る人あるべきなれども、近年我が朝てうの人の有様ほどうたてしき事をば承らず。先づ弓矢取りとならば、死を善道に守り名を義路に失はじとこそ思はれるべく、わづかに欲心...

ドラマを賢くブラッシュアップする方法

誰にでもドラマを追いかけた思い出がある。しかし、ドラマのブラッシュアップに熱中することは、しばしば病理と呼ばれることがある。 通常の生活や仕事に支障をきたすだけでなく、身体的な健康も著しく害されるからです。 ドラマは現実から派生したものであり、また現実よりも上位にあるものだとよく言われます。 ドラマの正しい、合理的なブラッシュアップをマスターしてこそ、本当の意味でリラックスできるのです。話は...

『自由の現実化こそ理性の絶対的目的である—若きヘーゲルの苦闘』

自由の現実化こそ理性の絶対的目的である—若きヘーゲルの苦闘ルネサンス研究所（2023年2月定例研究会）のお知らせ／「中国共産党の新方針と東アジア情勢の行方――これからの反戦運動のために」2023年2月 7日 (火)２０２３（２－７）晴後小雨予報。小雨予報あらため曇。となった。《『シン・仮面ライダー』公式サイト》《映画『シン・ウルトラマン』公式サイト》《世界サブカルチャー史 欲望の系譜 - N...

「承久記」公卿罪科の事（その７）

一条の宰相中将信能のぶよしは、美濃の国遠山にて斬り奉る。同じき十八日、甲斐の宰相中将範茂のりもちは、足柄山の関の東にて出家し、晴河と言ふ浅き河の堤つつみを堰き止めて、沈め奉らんとす。思ひきや 苔の下水 せきとめて 月ならぬ身の やどるべきとはとて自水せらる。六人の公卿の後の嘆き、言ふも中々愚かなり。一条宰相中将信能（一条信能）は、美濃国の遠山（現長野県飯田市）で斬られました。同じ七月十八日、...