"東京国際映画祭" の検索結果 92 件

  1. 「ザ・ビースト」第35回東京国際映画祭

    「ザ・ビースト」第35回東京国際映画祭

    コンペティション作品。スペイン/フランス映画。本作は第35回東京国際映画祭でグランプリおよび最優秀監督賞の2冠を達成。さらに主演のドゥニ・メノーシェは最優秀男優賞を受賞した。この受賞については納得である。…が、正直に言うと、今回のコンペティション部門では他にあまりめぼしい作品に出会えなかった。ひとつの作品が2冠も3冠も獲っちゃうのは正直どうなの?と思う。裏を返せばそれに値する作品が他に無かっ...

  2. 「コンビニエンスストア」第35回東京国際映画祭

    「コンビニエンスストア」第35回東京国際映画祭

    ワールド・フォーカス作品。ロシア/スロベニア/トルコ/ウズベキスタン映画。ウズベキスタンからロシアに来た、搾取されるコンビニエンスストアの女店員の身の上を通して、ロシア社会の縮図を描く作品。世界にはきっとまだこんなことが沢山展開されているのだ、と思わせる。それらは恐らく連綿と続いているのだろう。静かな衝撃を受ける作品。薄暗い部屋の一角で、結婚式が執り行われている。質素なものだ。花嫁のアップか...

  3. 「消えゆく燈火」第35回東京国際映画祭

    「消えゆく燈火」第35回東京国際映画祭

    アジアの未来作品。香港映画。これは間違いなく秀作。素敵な作品だった。香港スター俳優のサイモン・ヤムとシルビア・チャンが出演しているのが理由ではない。もちろん俳優陣の演技はサブ役に至っても隅々まで素晴らしかったけれど。香港の消えゆく「文化」を尊敬と哀切をもって表している。そのテーマの選定が素晴らしい。まさしく映画でなければ呼び込めない感情を、観客の心に起こさせるのだ。私は、本作、是非日本でも公...

  4. 「ノースマン導かれし復讐者」第35回東京国際映画祭

    「ノースマン導かれし復讐者」第35回東京国際映画祭

    ガラ・セレクション作品。アメリカ映画。ロバート・エガース監督。壮大である。画面は終始暗いけれど迫力は満点。知られざる北欧の伝説の一端、という設定も興味深い。リベンジ・アクションであり、リベンジ・ファンタジー(こんな言葉無いけど)である。まだロードショー公開前なので、以下ネタバレご注意下さい。これは北欧の地で繰り広げられた壮大な叙事詩である。北大西洋を望む北欧の島、895年。ある王家の広大な城...

  5. 「孔雀の嘆き」第35回東京国際映画祭

    「孔雀の嘆き」第35回東京国際映画祭

    コンペティション作品。スリランカ/イタリア映画。本作は第35回東京国際映画祭で最優秀芸術貢献賞を受賞。秀作。スリランカのある種の現状と、真の部分での家族愛を描いている。それぞれがそれぞれの立ち位置で家族を想い、現実との狭間で揺れ動く。人身売買に近い養子斡旋について、アジアとヨーロッパの関係性も含めながら描いているのも興味深い。壁にかかった両親の写真を外し、手に持つ。戸に鍵をかけて、トラックの...

  6. 「1976」第35回東京国際映画祭

    「1976」第35回東京国際映画祭

    コンペティション作品。チリ/アルゼンチン/カタール映画。主演女優のアリン・クーペンヘイムは、最優秀女優賞を受賞した。チリのピノチェト独裁政権下で、レジスタンスの青年を匿う手伝いをすることになった富裕層の女の物語。当時の状況と、政治的監視体制下にある日常の恐怖とを丁寧に描いている。彼女が巻き込まれたことは次第に自身の意志での行動となっていくのだが、それは崇高な精神からきたものなのだろうけれど、...

  7. 「アシュカル」第35回東京国際映画祭

    「アシュカル」第35回東京国際映画祭

    コンペティション作品。チュニジア/フランス映画。頭の中が「?」でいっぱい。不穏でスリリングで結構面白くて、ラスト近くまで夢中で観ていたけれど、あんな風にぶん投げられるとはなぁ。私にはあのぶん投げを受け止める度量が無かったということか。あれは何かの啓示?集団心理を利用したある種のカルト?それはサイエンスで解決できるのか…?人知を超えたものだとしたら、何故その行為が選ばれるのか?だが真面目に解釈...

  8. 「カイマック」第35回東京国際映画祭

    「カイマック」第35回東京国際映画祭

    コンペティション作品。北マケドニア/デンマーク/オランダ/クロアチア映画。キワモノだと思っていたが、観終わった後何故か印象に残る作品。人(特にここでは女)の身勝手さと理不尽さを描く。だけど何故かしら、そんな女たちを憎むことはできない。コメディタッチではあるが、思うに任せない人生の不条理を垣間見せられる。北マケドニアの首都スコピエのアパート。上階から女が煙草の吸殻を下に投げ捨てる。これはいつも...

  9. 「フェアリーテイル」第35回東京国際映画祭

    「フェアリーテイル」第35回東京国際映画祭

    ガラ・セレクション作品。ロシア/ベルギー映画。ソクーロフ独特の映像美が全編にわたって展開される驚異の映像詩。と、解説で謳われていた。確かにすごい。目眩く、押し寄せる映像。こういうのを観られるから、映画祭ってやっぱりいい。とはいえ、黄泉の世界の権力者は、基本急ぐことはないので、これらの映像詩は常にゆったりと流れる。だから多少眠たく思えてしまったのはここだけの秘密。スターリンがベッドから目覚める...

  10. 「輝かしき灰」第35回東京国際映画祭

    「輝かしき灰」第35回東京国際映画祭

    コンペティション作品。ベトナム映画。愛憎は表裏一体である。その表裏に上手く折り合いをつけなければ、破滅の道を辿る他(ほか)はない。ラブロマンス物の成れの果て、といった類の本作だったが、私には結構好きな作品になった。人は心に修羅を持つ時がある、と思わされた。水音がする。流れる川の音だ。薄暗い軒下で、女たちがバナナを潰し、薄くして乾燥台に乗せる。対岸の家で火事が起こっている。燃え盛る家。それを見...

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