"立原正秋" の検索結果 12 件

  1. たまに思い出すこと

    たまに思い出すこと

    ひとりの作家に夢中になって寝る間を惜しんで本を読むという経験が今の若者にはあるのかな。私が最初に夢中になったのは片岡義男。文庫本をほぼすべて読んだ後、新刊やら連載やら映画やら3、4年追い続けていました。それから立原正秋。今から思えば片岡義男と立原正秋、アメリカと韓国の違いはあるけれどどこかとても似ている。どうしてあんなに好きだったのだろう。アマゾンもメルカリもない時代、毎日のように古本屋に通...

  2. 私は鴨鍋をつつきながら、湖水で自裁をはかった二十一歳の一休を考えた――立原正秋「旅ののちに」

    私は鴨鍋をつつきながら、湖水で自裁をはかった二十一歳の一休を考えた――立原正秋「旅ののちに」

    去年から三重県特集を不定期で掲載してて、でもまだ2回しか載せられてないんだけど、今年はこれと並行して、滋賀県特集もやっていきます。第1弾は、やはり滋賀にゆかりの深い一休さんに登場してもらうことにいたしましょう。では。立原正秋「旅ののちに」(随筆集『雪中花』メディア総合研究所刊 に収録)よりふと、ここ数年をふりかえってみたら、人の混まない寒い季節に旅先にいたことが多かった。寒いときにあそこに行...

  3. 美しい伎藝天を前に、小説を書けども書けども、活字にはならないと語りかけていたのかもしれない――立原幹「伎藝天」

    美しい伎藝天を前に、小説を書けども書けども、活字にはならないと語りかけていたのかもしれない――立原幹「伎藝天」

    そろそろ冬に向おうという、どこか淋しく、しかし穏やかで、実り豊かでふくよかなる、こんな輝かしい季節には、御佛(みほとけ)にひかれて、古寺を訪ねるのもいいでしょう。それでも京都は人がやたらと多いから、奈良なんかはどうでしょう。奈良の秋篠寺には、伎芸天という芸術の女神の御像がありまして、日本では伎芸天像はこの一体のみだということです。立原幹「伎藝天」(立原正秋『雪中花』メディア総合研究所刊 の巻...

  4. 立原道造“のちのおもいに”

    立原道造“のちのおもいに”

    水引草水引草がなんとなく侘しげに咲いているのを、庭の南斜面の藪の中に発見。懐かしい立原道造の詩が蘇ってきた。追分や軽井沢も今のような観光地ではなく、文学に魅かれている少女には静謐な、メランコリックな堀辰雄や立原道造の世界に浸る場所としてかけがえのない地であった。久々に10代のころに戻ってみる。するとその頃の自分は既に遠く、、、他人のように遠くにいて、こちら側には老獪に年齢を重ねた女がいる。の...

  5. 夏へ

    夏へ

    いや、暑いですね。7月のまだ初日だというのに、たまらなく暑いです。毎年、夏になると立原道造の詩を思い浮かべますが、今年はすでにもうたっぷりと道造気分です。もちろん彼には秋の詩も冬の詩もあるわけですが、どの詩も色濃く青春を思わせます。そして青春というのは字では青い春と書きますが、春というよりはやはり夏ですね。ということで、立原道造の「夏へ」という詩を。夏へ立原道造ここにこうして待っている或る時...

  6. 山なみのあちらにも

    山なみのあちらにも

    夢見たものはひとつの幸福ねがつたものはひとつの愛山なみのあちらにもしづかな村がある明るい日曜日の青い空がある立原道造の詩「夢見たものは‥‥」の一節です。山なみのあちらにもしづかな村がある子供の頃、まさにそう思っていました。山の麓で育ち、山の向こうの空を見ては、あの空の下にはどんな町があるんだろうと、いつも思っていました。いつだったか、なんでだったか覚えていませんが、立原道造のようなのは詩じゃ...

  7. 田村正和さんと冬の旅

    田村正和さんと冬の旅

    俳優の田村正和さんが亡くなられました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。代表作として、古畑任三郎シリーズや眠狂四郎のことが取り上げられてましたが、私自身の思い出に一番残っているのは立原正秋さん原作の「冬の旅」。田村正和さんのほかに出演してたのは、弟役のあおい輝彦さんや久我美子さん。明るいドラマではなかったですよね。少年院が舞台の一つになってたし。子どもの頃の放送だったはずなのに、そんなドラマ...

  8. のちのおもいに立原道造

    のちのおもいに立原道造

    立原道造はとても繊細な詩人ですね。お聞き下さい。(*^▽^*)オネガイシマス夜中から降りだした雪は、まるでレースのカーテンを降ろすように降り続きました。あちらからもこちらからも、除雪の音が聞えてきます。もう真っ白です。毎日眺めていた鬼灯も、すっかり雪に埋まってしまいました。外気温は−9℃です。寒いですね。またしばらくは雪に埋もれた生活が続きます。春よ来い!早く来い!なんてね。(笑)雪曇りの...

  9. 天災から日本史を読みなおす磯田道史と冬の旅立原正秋

    天災から日本史を読みなおす磯田道史と冬の旅立原正秋

    長女に懇願して密林から購入してもらった本2冊。もちろん代金はきちんとお支払いをしました。アナログ人間なのでネットでお買い物ができない私なのであります…。一冊は『天災から日本史を読みなおす磯田道史著』もう一冊は『冬の旅立原正秋著』磯田さんの本は、台風シーズンを目前としてタイムリーな本だと思ったので購入。冬の旅立原正秋著は、数年前からこの本を探しておりまして、先日この本を検索していたら密林で引っ...

  10. 『信濃追分文学譜』

    『信濃追分文学譜』

    近藤富枝『信濃追分文学譜』を読みました。追分(おいわけ)をめぐる、わが愛する立原道造らの青春。それは花にへりどられた高原の林のなかの草地であつた小鳥らのたのしい歌をくりかへす美しい聲がまどろんだ耳のそばにきこえてゐたとか、咲いてゐるのはみやこぐさと指に摘んで光にすかして教へてくれたとか、あの人は日が暮れると黄いろな帯をしめ村外れの追分け道で村は落葉松(からまつ)の林に消えあの人はそのまま黄い...

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