"現代史" の検索結果 466 件

  1. 「巴郡太守張納功徳碑」

    「巴郡太守張納功徳碑」

    よく知られている漢碑だが,『隷釈』巻5所収のこの張納碑も参考になるだろう.碑題が「巴郡太守都亭侯張府君功徳叙」で,本文が以下のように始まる.君諱納,字子郎,勃海南皮人也.其先□□之冑.とあって,張納が碑主であることは確実.『隷釈』,碑陰の建立者に「故吏」がいないので,張納が現職だった時期に建立されたとする.職を離れたり,死後だったりするのではないということ.以下は碑陰.益州従事行丞事・従掾位...

  2. 冠帯之国

    冠帯之国

    條記文書とか領抄文書とか書いたので,思い出した.河上麻由子『古代日中関係史』の一文.六〇四年に即位した煬帝の代には,朝鮮半島諸国に対する冊封が実行されたという史料はない.すでに隋が東アジアへの冊封を行っていないなか,倭国が隋に冊封を要求しなかったのはむしろ当然である(98頁).ここでは東アジア=朝鮮半島というように解釈できるが(このような等号が妥当か否かはともかく),『隋書』西域伝高昌条には...

  3. 『滿州金石志』

    『滿州金石志』

    「毋丘倹紀功残碑」に取りかかるために,『滿洲金石志』を広げる.『石刻史料新編』第1輯第23冊に収録されているので,簡単に見ることができる.全6巻の同書だが,巻1の冒頭に採録されており,表題は「毋邱儉丸都山紀功殘石」で,ちゃんと「殘」がある.まだ碑という認識はなかったようだが,「毋丘倹紀功碑」とするよりも,実物の形状(現状)を適確に表現している.でもなぜ「丘」におおざとをくっつけたのだろう.よ...

  4. 結局

    結局

    河上麻由子『古代日中関係史』は多くの点で西嶋定生『日本歴史の国際環境』の所説を批判し否定した.首肯できる点,採るべき点も複数ある.西嶋東アジア世界論は,中国史研究者である西嶋が,日本とその歴史を解釈しようとするものであった.河上の論は,日本史研究者の河上が,日本の政治動向をベースに両国の関係を解釈したものであった.とすれば,自ずと両者の所説が重なり合うのも必然であったろう.西嶋東アジア世界論...

  5. 但馬の式内社① 少彥名命を祀る「伊由神社」

    但馬の式内社① 少彥名命を祀る「伊由神社」

    日本海側の式内社シリーズ1.少彥名命を祀る伊由神社但馬國朝来郡鎮座の式内社に 伊由神社(兵庫県朝来市伊由市場243)がある。【祭神】少彥名命 すくなひこなのみこと【祭祀】江戸時代は「大森明神 おおもりみょうじん 」と称していた。【境内】護國の宮・金比羅神社・壽賀神社1.祭神は少彥名命・『古事記』で神産巣日神 かみむすびのかみ の子とされる少名毘古那神(少彥名命)は、大己貴神 おおなむちのかみ...

  6. 河上麻由子『古代日中関係史』

    河上麻由子『古代日中関係史』

    扱う時代が拙著とは重ならないので読む必要はないだろう,と思っていたのだが,念のためと思い,ずうっと積んであったのを取り出して読んでみた.意欲作というか野心作というか,それが第一印象.「古代日中関係史」というテーマが成り立つのか,はともかく,「満州」ほか,幾つかの用語や理解に違和感を抱いたのも事実.職貢図はその副産物で,『翰苑』はさらにその副産物.というわけで無駄ではなかった.

  7. 職貢図の倭国使者図題記

    職貢図の倭国使者図題記

    河上麻由子『古代日中関係史』を読んでいて,思い出した.河上はこの題記を,「『三国志』魏書,倭人条の記述と酷似し,使者図はこれを忠実に再現している」(31頁)と述べる.基本的にはその通りだろう.題記にも「会稽郡東」とある.ただ倭の五王の遣使により,倭国に対する知見は上書きされ,ヴァージョンアップしなかったということになる.少なくともヴァージョンアップ版は広く共有されることはなかった,と.それは...

  8. 2022年の掉尾

    2022年の掉尾

    阿部幸信・飯田祥子両氏の大著が刊行されたと思ったら,昨年の掉尾を飾るように,今度は池田雄一先生の『中国古代の律令と地域支配』(汲古書院)が刊行された.先生の3冊目の論文集にあたる.走馬楼呉簡も含め,近年の出土史料(簡牘)にも目配りを欠かさずに続けており,その成果をまとめたものである.1937年生まれの先生は,おそらく現役最年長なのではないだろうか.私よりも一回り以上も年長だが,先生の研究意欲...

  9. 日下部氏の伝説① ホムチワケ皇子伝承と出雲神話の共通点

    日下部氏の伝説① ホムチワケ皇子伝承と出雲神話の共通点

    ホムチワケ皇子伝承今回は沙本毘賣命の遺児であるホムチワケ皇子の伝承について取り上げたい。彼は父を垂仁帝とするが日子坐王の孫にもあたる。これまでのホムチワケ皇子についての記事は以下の通り。ホムチワケ伝承を伝えた出雲の日下部氏と「久佐加神社」謎の日下部ー5.因幡國「日下部神社」と日下皇子「本牟智和氣命」「ホムチワケ伝承」は産鉄鍛治集団によって言い伝えられて来たと理解するのが一般的なようだ。彼の火...

  10. 大著2冊

    大著2冊

    期せずして漢代史研究の豊饒な成果が相前後して2冊刊行された.2022年11月に刊行されたのが,阿部幸信『漢代の天下秩序と国家構造』(研文出版),翌12月に刊行されたのが,飯田祥子『漢新時代の地域統治と政権交替』(汲古書院).ジャンル分けすればいずれも政治史で,内容的に重なり合う部分もあるが,しいて言えば,阿部氏の書はイデオロギーを扱い,飯田氏の書は政治過程を扱っていると言えようか(このような...

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