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(527)空き缶を拾う男

安田義明のラジオポエム原稿（2022年05月04日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー空き缶を拾う男が自転車を押していたタクシー運転手が一旦停止をした運転手はつぶやいた「あれで一日どれだけになるのでしょうね」「路上生活者に食事を持って行ったことがあるんですよ」運転手は意外なことを...

(526)ドクターZのこと

安田義明のラジオポエム原稿（2022年04月27日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー男が新入社員として配属された職場で上司のドクターＺが男の歓迎会をしてくれたそれはドクターＺ行きつけのストリップ劇場だったドクターＺは男の目の前で踊り子のまたぐらに手を伸ばしたおかしな時間だった男...

(525)江戸川に忘れ物

安田義明のラジオポエム原稿（2022年04月20日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー柴又の駅で男は気がついた「江戸川にサングラス忘れてきたわ！」女は「えっ！」と驚いた声を出した男は「もうええわ」と言った女はとりに戻ろうと言った帝釈天の参道を二人は人をかきわけながら急いだ途中で草...

(524)黒い天ぷら

安田義明のラジオポエム原稿（2022年04月13日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー男の母親が単身赴任の男を頼りに上京してきた男は母親を上野に連れ出した浅草にも足を運び公会堂を見せたりした浅草でランチに天ぷら屋に入った黒い色をした天ぷらに京都の母親は驚きを隠さなかった食事を終え...

(523)ガレージで買い物

安田義明のラジオポエム原稿（2022年04月06日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー男は近くのガレージに開かれる店に野菜を買いに行く「トマトはないんですか」とたずねる既に売り切れていた桜の花は散りはじめていたのに、コートを着るほどに寒かったけれど男は春の訪れがうれしくて野菜の袋...

(522)巣鴨の駅で

安田義明のラジオポエム原稿（2022年03月30日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー巣鴨の駅で男は改札をすぎて階段をくだりホームにたどりつこうとしていた後ろから若者が追いかけてきて男に声をかけた「これ、落としましたよ」若者は男にカードを手渡すと雑踏の中、階段を駆け上っていった男...

(521)個人面接

安田義明のラジオポエム原稿（2022年03月23日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー男は労働組合に３６協定を出した残業月３０時間、深夜会議１回と記載していた男は春の個人面接を実施した「腰が引けてるんとちがう」男の言葉にＬは涙をぬぐった男はＬをランチに誘いコレド室町ビルに向った強...

(520)さびしがりやの犬

安田義明のラジオポエム原稿（2022年03月16日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー男はＭの話を聞くとこころが折れる思いをしたいくどもいくどもＭの話がこころに浮かび上がり命が愛おしくてしかたがなかった誰かが窓の下を通りすぎたさびしがり屋の犬が人の影を追ってなきだしたいつまでもい...

(519)北の国からのメール

安田義明のラジオポエム原稿（2022年03月09日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー北の国から男にメールが届いた「まだ冬がのこっています懸命にがんばっています」男は返事の言葉に困った東京はもうすぐ春だった「あれから５年あのときのことを忘れないでいます」とメールにあった男は返事の...

(518)セーリング

安田義明のラジオポエム原稿（2022年03月02日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー男は早春の湖でセーリングしている北の街の港をめざしてザザンザザンザンブザンブと船は波を打ち走りつづける午後、船を岸壁に着けると男はセールをたたみキャビンに入る風がロープをカタカタと鳴らすのが聞こ...