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はじめのぺーじ

FM７９７ラジオカフェ京都で毎週水曜に自作詩を朗読しています。（サポーターパティスリーれれれ→見る）最新の「安田義明のラジオポエム」（565）死んだ猫→[ 見る]（564）男は腕時計を見る→[ 見る]（563）巨大な赤の水門→[ 見る]（562）言葉を追いかけて→[ 見る]京都新聞「窓」投稿掲載文 →[ 全部見る]最新の投稿文タクシーの窓に思い出す父→[ 見る]老い認め高慢心捨て生きる→[ ...

(565)死んだ猫

安田義明のラジオポエム原稿（2023年01月25日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー男は駅に向かう石神井川の道を行く行く手には悲劇が起こっていた口からは赤い血目は閉じられていて捨てられたぬいぐるみのように突き出た腕が壊れていた赤い血が体から染み出ていて行き場を探して路上に流れて...

(564)男は腕時計を見る

安田義明のラジオポエム原稿（2023年01月18日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー冬の寒気団から顔を出した太陽がはればれとしていてリビングの窓からみえていた青空はいばったように遠くひろがり男はリビングでテーブルにバターとジャムをならべていたリビングには椅子が一つ青空に向って置...

(563)巨大な赤の水門

安田義明のラジオポエム原稿（2023年01月11日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー荒川土手に巨大な赤い色をした水門が建っている神田川はここにはじまる男は土手から川向こうの川口市の街をみていた川口の街は歩くとまだ鉄の焼けるにおいがした女優・吉永小百合の映画で名の知れた街この国の...

(562)言葉を追いかけて

安田義明のラジオポエム原稿（2023年01月04日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー列車は品川駅を過ぎたうつくしい高層ビルがそびえる闇の中を列車は走りつづけている列車は闇の中に浮かぶ東京駅にむかっていた男はカバンから出したパソコンを起動して遠い世界にひろがるクモの糸をたどり言葉...

(561)思い出のシネマ館

安田義明のラジオポエム原稿（2022年12月28日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー男は約束の店で一人の女を待っていた高瀬川の流れを前にした思い出の店だった男は一人、料理の品書きなんかをみて女を待った女将が男のテーブルに来て男の名前を確かめた男がそうだと答えると「お連れさんはこ...

(560)不忍通りを歩く

安田義明のラジオポエム原稿（2022年12月21日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー男は街のビルの階段を降りるとビルの下で夜空を見上げた男は「もう電車ないかな」と思うとぶらりと不忍通りに向かった「歩いて行きませんか」とＭが言ってくれた気がしたから男は夜の灯りのある道を歩いた幸せ...

(559)古いノートのなかに

安田義明のラジオポエム原稿（2022年12月14日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー男は記憶のなかに探し物をしている街路樹の陰坂道古いノートのなか誰に告げるでもなく東京に暮らしていて男はときおり白い影に出会うのだった通り掛けの石段の途中に稲荷大明神の祠があってそのいわれを書いた...

(558)遠い秋の日のこと

安田義明のラジオポエム原稿（2018年07月09日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー男は幼い日に畑からナスビを盗んで家に持ち帰ったことを思い返していた母をよろこばせようとしたのだったそれは男の遠い秋の日の記憶母は男を叱った男はそれが忘れられない新幹線の中で男は窓辺に顔を寄せて幼...

(557)認知症の父と

安田義明のラジオポエム原稿（2022年11月30日水曜深夜12時15分~12時18分放送・翌日深夜1時15分再放送）ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー男は都心から離れた町で一泊した。部屋は高台にあってそこは男のセカンドハウスだった朝、6時、坂の下から寺の鐘の音が聞こえてきて男はめざめた部屋からは琵琶湖がみえた男は既に他界した父とベランダから琵...