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尼寺廃寺・平野窯跡・平野塚穴古墳・牧野古墳

尼寺廃寺・平野瓦窯・平野塚穴古墳・牧野古墳 平野塚穴古墳の被葬者と古代の「片岡」を考えた。平野古墳群には「武烈天皇」や「顕宗天皇」陵墓が含まれると、地元の平野村では古くから言い伝えられてきた。平野塚穴山古墳、今では破壊されてしまった平野三号墳などの精緻な石室構造などからみて、そのように言われるのも不思議ではない。 平野塚穴山古墳。石室平野古墳群の被葬者像を考えてみた。平安時代に陵墓の一覧が示...

『平野屋米穀店』で新米をいただく茨城県産一番星（減農薬）

平野屋米穀店で今年の新米茨城県産一番星（減農薬）2,268円/5kg日々のお米は平野屋米穀店でおススメのお米を精米してもらいます。今回のおススメを聞いてみたところ早くも入荷した新米が入荷したとのことお店のブログhttps://blog.goo.ne.jp/ken116116/e/030643c2d6d9e93a96f5502f0e427447その中でも平野屋さんの一押し茨城県産一番星この時期...

読書メモ（キム・ヨンス『波が海のさだめなら』、村田沙耶香『信仰』、ほか）

キム・ヨンス『波が海のさだめなら』私たちはミステリーに限らず、小説は読めば読み進むほど、真相が分かってくるものだと思いがちだが、本書はそのような思い込みは先入観にすぎないことを教えてくれる。養母を亡くした女性（カミラ）が、養父が別の女性と結婚することになったのをきっかけに、育ったアメリカを離れて、一枚の写真を手掛かりにしながら母親を探すために韓国へとやってくる、というのが大まかなストーリーだ...

教理も知らぬ夕やけ雲の彼方に――平野威馬雄『癊者の告白』⑧

平野威馬雄『癊者の告白』より⑧ろくろ首の一座は、目玉商品ともいうべき、さえを失ってから、もう、演（だ）しものに客をひきつける何ものもなくなってしまった。独楽廻しだの、浮かれの蝶（つくりものの蝶を自在に空中であやつったあげく、しまいにはほんものの蝶を舞わすバタフライトリック）だの、針金渡りの曲芸なども、さしかわり演（だ）していたが、やっぱり、ろくろ首がお目あてだった。それに、落ちゆく先きは九州...

イニシェーション（ひでん）という難訳な語の持つ雰囲気が迫ってきた――平野威馬雄『癊者の告白』⑧

平野威馬雄『癊者の告白』より⑦その日から、さえは消えてしまった。ほんとに……消えてしまったのだ……足あとも、のこさず……永久に……。ストレートで用いた抱水クロラールは、クロロフォルムやエーテルなどにくらべて、数倍の魔力を持つ……五体が硬直し、神経が萎え、知覚は冥王星の彼方に飛んでしまう……そしてあとには、結節癩のような、頑固な麻痺と潰瘍が、夢の中まで泌み透って行くだけだ。さえが、いつにもなく...

ちょうど鳩の鳴声のように喉を鳴らしながら――平野威馬雄『癊者の告白』⑥

平野威馬雄『癊者の告白』より⑥佐賀にきてからのさえは、毎日、妙に沈んだ様子で、ぼくの誘いにも、三度に一度は拒否の表現で、うつむくのであった。だがナルコチカの、間断なき突き上げは、ぼくを、もう、相手の意志などに無関心にさせ、手足を鋭い蟻痒で悩ましつづけ、不思議に清新な締めつけの中で、奔放にさせずにはすまなくなったのだ。さえは、煙のかかったような眼でぼくを見つめる……その眼のなかにまえから、ぼく...

液化した水晶のような女の目――平野威馬雄『癊者の告白』⑤

平野威馬雄『癊者の告白』より⑤さえとぼくは、幕間のひとときを、いつも、海べに下りてきた。干潟の饐（す）えた臭いの渦（うず）に、むつごろうが歩いていた……ぎょろりとした眼玉が頭のてっぺんからとび出していて、なんともいえない剽軽さ……張りひろげた鰭で歩く……その白い点がキラキラ光って、緑や紫に全体を浮彫りしている。有明海や八代湾の珍魚だといわれているが、その、おどけた歩き方が、河馬によく似ていて...

ひぜんななうらは、そんなところであった――平野威馬雄『癊者の告白』④

平野威馬雄『癊者の告白』より④（これまでの引用はこちら）瞳もなければ瞼もない浅い干潟のむつごろうこの、どろどろなぬかるみがぼくの地球をとりまいている間は舟もなければ波もないどんよりかかる薄い日ざしだけみるがいからすがいすがいほたてがいプランクトンヒドロゾアぶくぶくぶく……と、泡（あぶく）を雨にはこんでいる陸のない沖合で天の犬も吠えている。＊女を立川流に所有した……教理も知らぬ夕やけ雲神秘妙門...

つめたく、やるせない時雨である――平野威馬雄『癊者の告白』③

平野威馬雄『癊者の告白』より③あけみと歩いた時間は短かく、爛々としていた。俄然！大地が揺れた。四方から、砂ほこり……立っていられない。吉田町を歩いていた。緑橋がえらいひびきを立てて、真二つにわれて、一面の地裂（じわ）れ……あけみはぼくにかじりつく……二人は思わず大地に伏した。眼の前の地面が大きく小さく盛り上り、家々から火が出た……瞬間のでき事である……人々の叫び声、ゆきかう人の姿が、砂と埃で...

うらぶれた中国山脈の村まつりにまぎれて――平野威馬雄『癊者の告白』②

平野威馬雄『癊者の告白』より②転々と、関東、中部、近畿、中国……と、ろくろ首の小屋は移っていった。そして、ぼくも、ふらふらっ……と、憑かれたように、さえのあとを追って、一座の仲間にまぎれて歩いた。さえの亭主というわけではないが、そのような形で、団長も小者（こもの）たちもぼくの同行を、むしろ（さえの足どめにプラスとでも思ったのだろう）よろこんでいるようだった。そして数カ月は流れた。天幕の、はた...