"散文詩" の検索結果 273 件

  1. 汚れた歳月

    汚れた歳月

    マンディアルグ『汚れた歳月』(松本完治訳、エディション・イレーヌ、二〇二三年二月一八日、造本設計=佐野裕哉)読了。マンディアルグが第二次大戦中モナコのモンテカルロで避難生活をしていたときにモナコの図書館に通い詰めながらさまざまな作品に刺激されて書き上げたのが本書に収められている諸篇である。《彼自身の言葉によれば「私の夢や想念から引き出され、でき得る限りの独創的な文体の中に凝結された、一種のイ...

  2. 夜半の涙より温いものを知らぬ監房で、自分の吐いた寝息が鉄窓の硝子に氷の華を――吉田一穂『故園の書』

    夜半の涙より温いものを知らぬ監房で、自分の吐いた寝息が鉄窓の硝子に氷の華を――吉田一穂『故園の書』

    冬という牢獄。いずれ春になればそこから釈放されるであろうが、しかし遅々たる春の訪れ、断頭台への恐れ。じりじりとして、とっとと脱獄してしまいたい。というわけでまた吉田一穂の詩を読みます。でもその前に今回も川内康範を呼びましょう。うーん、これはもうパンクや!放送禁止になるどころか、堂々と挿入歌になってるところが、さすが川内康範の貫録、威光でありますね!吉田一穂散文詩集『故園の書』(厚生閣書店刊、...

  3. この世の喜びを

    この世の喜びを

    今日は三和清掃の中央労働委員会出席のために東京へ。いつもの通りジパング倶楽部を利用して3割引で。行き帰りの新幹線で、先日芥川賞を受賞した井戸川射子さんの「この世の喜びを」を読む。二人称で散文詩のような文章。特別なことはなにもない心象風景。選評で川上弘美さんが強く推していたが、僕には合わないかな。今日から刈谷で韓国の労働組合を支援する活動にユニオンの仲間が参加。僕は明日参加予定で朝ビラがあるの...

  4. 2023年の初め

    2023年の初め

    新年、おめでとうございます。生まれてから7回目の兎年ですが、もう少しブログは続けます。 目下2つの企画が進行中です。その1は、東京・日本橋蛎殻町にある美術館「ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション」で、2月11日から5月7日まで開催される展覧会です。「浜口陽三の世界柔らかな光と闇」と題する展覧会について、ミュゼが準備中のチラシのための紹介文は次の通りです。 「浜口陽三の世界柔らかな光と闇~浜口陽...

  5. 「日本現代詩選2022」(瀬崎)

    「日本現代詩選2022」(瀬崎)

    「日本現代詩選」は、日本詩人クラブが隔年で発行しているアンソロジーである。その通巻第40集である2022年版が届いた。490頁に及ぶ大冊で、会員350名の382編が収載されている。日本詩人クラブの現在の会員数は約800名だったはず。とすると、半数近い会員が参加したのか。さらに2017年から同会が公募をしてはじめた「新しい詩の声」の最優秀賞、優秀賞作品の昨年、今年の作品も巻末に載っている。私は...

  6. 演劇空間ロッカクナット いっかいめ。 「そこここに、戯れ」見ての感想。1400文字くらい。

    演劇空間ロッカクナット いっかいめ。 「そこここに、戯れ」見ての感想。1400文字くらい。

    山の中で演劇公演するという壮挙にひかれて見にいった。会場に行くためには、車で行くか、主催者の用意する送迎車でいくしかない。案内を見たら、トイレがないので、地面に穴をほってブルーシートで囲んだ緊急トイレがある的な表記があって、この振り切った感じにもひかれた(ちなみに緊急トイレは女性用で男性用トイレはない。山中にわけいってとの案内。)。こんな感じのところ。「ここ、どこだよ、、、、」ってつぶやいて...

  7. トロットの妹アンドレ・リシュタンベルジェ原作/田中末廣佐藤輝夫共訳初版箱文化書房昭和6年

    トロットの妹アンドレ・リシュタンベルジェ原作/田中末廣佐藤輝夫共訳初版箱文化書房昭和6年

    トロットの妹アンドレ・リシュタンベルジェ原作/田中末廣佐藤輝夫共訳初版箱文化書房昭和6年¥5,000B6判293p箱痛み本体並本アンドレ リシュタンベルジェAndré Lichtenberger■1870 - 1940フランスの小説家,社会学者。モンチヨン賞受賞作「かわいいトロット」(1898年)、「トロットの妹」(1898年)を代表とするユーモアに満ちた児童心理描写、小説「コリントの滅亡」...

  8. 母恋春歌調/寺山修司

    母恋春歌調/寺山修司

    母恋春歌調思いあきらめ去りゆく影を呼ぶかこだまのあの声は乳房おさえてあとふり向いて流す涙も母なればこそ大映映画『母三人』は、三倍泣かせる映画であった。水洗以前の便所のにおいが鼻をつく場末の港館で、私はこの映画を三回観たのを覚えている。人生は、映画以前のノゾキカラクリで、どこでもここでもお涙頂戴。おかげで少年時代の私は映画館の暗闇に逃げ場をさがして、そこに繰りひろげられる三文悲劇の因果のむくい...

  9. 42. 萩原朔太郎+しきみ「猫町」(立東舍)

    42. 萩原朔太郎+しきみ「猫町」(立東舍)

    兄にお借りした「乙女の本棚シリーズ」の一冊。朔太郎の「猫町」は、よほど画家の想像力を刺激するのか、先日も山川直人氏の本でも読みました。イラストレーターのしきみ氏は、ゲーム「刀剣乱舞」のキャラクターデザインをなさった方。細い線で描かれた30近いイラストは、1枚1枚額縁に入れて飾りたいようなものです。しかし1枚1枚をバラバラにしたら、それぞれは変な絵にしか見えないかもしれませんね。^_^;猫町 ...

  10. 『詩學』改組について

    『詩學』改組について

    9)【最初に報告した某氏資料のなかから「『詩學』改組について」刷物全文、和紙に活版刷】『詩學』改組について數年來モダーニズムの旋風は詩的思考の分裂化、斷片化となり、遂に詩の純粹性を喪はしめ、言語の曲藝にうつゝをぬかし、精神の假装に努めしむるに到りました。廣告圖案【ルビ=フオルマリスム】と婬樂獨善【ルビ=エロテイシスム】と錯亂暴言【ルビ=コムミニスム】の跳梁がこの詩的痴呆の現狀を雄辯に語つてゐ...

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